1995年11月6日リリース(英国)
Queenが1995年に発表した15作目のスタジオ・アルバム『Made in Heaven』。1991年11月に亡くなったFreddie Mercuryの生前のボーカル録音をもとに、Brian May、Roger Taylor、John Deaconの3人が演奏やアレンジを加え、完成させた作品である。
Freddie Mercuryの死後、残されたメンバーが彼の歌声を中心に制作したアルバムであり、Queen名義では最後のスタジオ・アルバムとなった。
収録曲には、Freddieのソロ作品として発表されていた「Made in Heaven」「I Was Born to Love You」をQueenの演奏で再構築した楽曲や、Roger TaylorがThe Crossの作品として発表していた「Heaven for Everyone」の新たなバージョンなどが含まれている。
また、Brian MayとFreddie Mercuryの共作「Mother Love」や、Freddieが生前に書き残した「A Winter’s Tale」など、バンドの歴史と彼の最後の創作活動が結びついた内容となっている。
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Freddie Mercuryの歌声を受け継いだ最後のスタジオ・アルバム
『Made in Heaven』の制作は、Freddie Mercuryが亡くなる前の1991年にさかのぼる。
アルバム『Innuendo』の制作を終えたFreddieは、残された時間を意識しながらも、可能な限りレコーディングを続けたいと考えていた。病状が進行する中でもスタジオに入り、歌えるうちに多くのボーカル素材を残そうとしていたのである。
1991年に録音された素材には、「Mother Love」「A Winter’s Tale」「You Don’t Fool Me」など、後に本作へ収録される楽曲が含まれていた。
Freddieの死後、Brian May、Roger Taylor、John Deaconは、残されたボーカル録音や演奏素材をもとにアルバムの制作を進めた。新たな演奏やコーラス、アレンジを加え、Queenとして一つの作品にまとめ上げていった。
単なる未発表曲集ではなく、Freddieの歌声と残されたメンバーの演奏を組み合わせ、Queenのアルバムとして完成させたことに本作の大きな意味がある。
過去の楽曲をQueenとして再構築
本作には、Freddie MercuryやRoger Taylorが過去に発表した楽曲を、Queenの作品として新たに仕上げたものが収録されている。
「Made in Heaven」と「I Was Born to Love You」は、Freddieが1985年に発表したソロ・アルバム『Mr. Bad Guy』に収録されていた楽曲だ。ソロ作品ではシンセサイザーや打ち込みを取り入れたサウンドだったが、本作ではBrian MayのギターやRoger Taylor、John Deaconの演奏によって、Queenらしいロック・サウンドへと生まれ変わっている。
「Heaven for Everyone」は、Roger Taylorが率いていたThe Crossの1988年のアルバム『Shove It』に収録されていた楽曲。QueenのバージョンではFreddieのボーカルを中心に再構築され、壮大なコーラスとメロディが印象的な仕上がりとなった。
また、「My Life Has Been Saved」は、1989年にシングル「Scandal」のB面曲として発表された楽曲を新たにアレンジしたもの。過去の作品や未発表素材を単純に並べるのではなく、Queenとしての統一感を持たせている点も本作の特徴である。
晩年の作品ならではの深みが感じられる『A Winter’s Tale』
Freddie Mercuryが作詞・作曲した「A Winter’s Tale」は、本作を象徴する楽曲のひとつだ。
スイスのモントルーで過ごした時間や、レマン湖を望む風景から着想を得たとされるこの曲は、穏やかなメロディと温かみのあるサウンドが印象的。Freddieの歌声には、晩年の作品ならではの深みが感じられる。
本作の制作においても重要な意味を持つ楽曲であり、Freddieが生前に完成させた最後の楽曲のひとつとして知られている。
一方、「Mother Love」はFreddieとBrian Mayによる共作で、Freddieが最後にレコーディングしたボーカルとして知られる。曲の終盤にはFreddieの歌唱が残されており、彼の最後の録音を含む作品として、本作の中でも特別な位置を占めている。
収録曲
- It’s a Beautiful Day
- Made in Heaven
- Let Me Live
- Mother Love
- My Life Has Been Saved
- I Was Born to Love You
- Heaven for Everyone
- Too Much Love Will Kill You
- You Don’t Fool Me
- A Winter’s Tale
- It’s a Beautiful Day (Reprise)
※上記はオリジナルLPの11曲。オリジナルCDには「Yeah」と「Untitled」の2曲が追加収録されている。
参加メンバー
- Freddie Mercury:Vocals, Piano, Keyboards
- Brian May:Guitar, Keyboards, Vocals
- Roger Taylor:Drums, Percussion, Keyboards, Vocals
- John Deacon:Bass, Keyboards
追加参加ミュージシャン
- Rebecca Leigh-White:Backing Vocals
- Gary Martin:Backing Vocals
- Catherine Porter:Backing Vocals
- Miriam Stockley:Backing Vocals
※追加コーラスは主に「Let Me Live」に参加。
制作クレジット
- Produced by:Queen
- Co-produced and Engineered by:David Richards、Justin Shirley-Smith、Joshua J. Macrae
- Mixing Supervision:David Richards
- Additional Recording:Mack
- Mastered by:Kevin Metcalfe
- Recording Studios:Mountain Studios(スイス・モントルー)、Allerton Hill Studios、Cosford Mill Studios、Metropolis Studios
本作は英国アルバム・チャートで1位を獲得。米国でもチャート入りを果たし、ヨーロッパを中心に世界各国で大きな成功を収めた。
『Made in Heaven』は、Freddie Mercuryの死後に残された音源を完成させた作品であると同時に、Queenというバンドの歴史を締めくくるアルバムでもある。最後まで歌い続けたFreddieの声と、残された3人のメンバーによる演奏が一つになった本作は、Queenのディスコグラフィーの中でも特別な意味を持つ一枚だ。



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