1971年11月5日、イギリスのオックスフォードに、後にレディオヘッド(Radiohead)のギタリストとして世界的な評価を得るジョニー・グリーンウッド(Jonny Greenwood)が生まれた。
本名はジョナサン・リチャード・ガイ・グリーンウッド。レディオヘッドではギターを中心に、キーボード、シンセサイザー、さまざまな電子楽器や弦楽器まで幅広く担当するマルチ・インストゥルメンタリストだ。
音楽活動の出発点は、幼少期から学んでいたクラシック音楽にある。ビオラを演奏し、現代音楽やクラシックの作曲家にも関心を持っていた。その経験は、後のレディオヘッドの実験的なサウンドや、独創的なアレンジにも大きな影響を与えている。
兄のコリン・グリーンウッドやトム・ヨークらとともに、学生時代からバンド活動を始めた。当初は「オン・ア・フライデー(On a Friday)」という名前で活動し、ジョニーは1987年のライブでハーモニカを担当したことをきっかけに正式にバンドへ加わった。その後、キーボードを経てギターを担当するようになり、バンドの重要な音楽的支柱となっていく。
1992年、レディオヘッドはデビュー・アルバム『Pablo Honey』を発表。シングル「Creep」の世界的なヒットによって注目を集めた。
続く『The Bends』では、ギター・ロックの可能性を広げる緻密なサウンドを展開。1997年の『OK Computer』では、複雑な楽曲構成や電子音、オーケストラ的なアレンジを取り入れ、ロックの表現領域を大きく押し広げた。
さらに2000年の『Kid A』では、ギター中心のロックという枠組みから離れ、電子音楽や現代音楽の要素を大胆に導入。ジョニーの楽器に対する幅広い知識と実験精神が、バンドの音楽的な進化を支えた。
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彼の特徴は、単にギターを巧みに演奏することだけではない。オンド・マルトノやシンセサイザーなどの電子楽器、ストリングスのアレンジ、独特な音響効果を楽曲に取り込み、従来のロック・バンドではあまり聴かれなかった音の世界を作り上げてきた。
その才能は映画音楽の分野でも発揮されている。2003年のドキュメンタリー映画『Bodysong』で映画音楽を手がけた後、ポール・トーマス・アンダーソン監督の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007年)を担当。続く『ザ・マスター』『インヒアレント・ヴァイス』『ファントム・スレッド』などでも高く評価された。
特に『ファントム・スレッド』の音楽では、2018年のアカデミー賞作曲賞にノミネートされるなど、映画音楽家としても国際的な評価を確立している。
また、コンサート・ホール向けの現代音楽作品も発表。BBCコンサート・オーケストラのコンポーザー・イン・レジデンスを務めるなど、ロック・ミュージシャンという肩書きに収まらない活動を続けている。
2021年には、トム・ヨークとドラマーのトム・スキナーとともに新バンド、ザ・スマイル(The Smile)を結成。レディオヘッドとは異なる編成とアプローチで、新たな音楽表現に取り組んでいる。
ジョニー・グリーンウッドは、ロックの枠を超えて音楽の可能性を探り続けるアーティストだ。ギター、電子楽器、オーケストラ、映画音楽と、異なる領域を自在に行き来するその創造性は、現代の音楽シーンにおいても特別な存在感を放っている。
革新性を象徴する代表曲『Paranoid Android』
1997年発表のアルバム『OK Computer』に収録された「Paranoid Android」は、レディオヘッドの革新性を象徴する代表曲だ。
6分を超える長尺の楽曲でありながら、静かなパートから激しいギター・サウンド、複雑な展開へと移り変わる構成が特徴。複数のセクションが組み合わされた独特の楽曲構造と、緻密に重ねられたギター・アレンジが強い印象を残す。
ジョニー・グリーンウッドのギターは、単なる伴奏やリード演奏にとどまらず、楽曲全体の緊張感やドラマ性を生み出す重要な役割を担っている。レディオヘッドが従来のロックの枠組みを超えていく過程を象徴する一曲だ。



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