1997年11月3日リリース(米国)
クラシック・ラインナップによる再結集期を記録したライヴ/スタジオ2枚組
『Keys to Ascension 2』は、英国のプログレッシブ・ロック・バンド、Yesが1997年に発表した2枚組アルバムである。
本作は、1996年に発表された『Keys to Ascension』の続編にあたり、ライヴ音源と新録スタジオ音源を組み合わせた構成となっている。
Disc 1には、1996年3月4日から6日にかけてカリフォルニア州サンルイスオビスポのフリーモント・シアターで録音されたライヴ6曲を収録。Disc 2には、同年11月に制作されたスタジオ新曲5曲が収められている。
参加メンバーは、ジョン・アンダーソン、スティーヴ・ハウ、クリス・スクワイア、リック・ウェイクマン、アラン・ホワイト。1970年代の黄金期を支えた5人が再び揃った編成であり、1978年の『Tormato』以来となる、この5人によるスタジオ録音作品という点でも重要な意味を持つ。
1970年代の名曲を再び演奏したライヴ・パート
Disc 1のライヴ音源では、「I’ve Seen All Good People」「Going for the One」「Close to the Edge」「And You and I」など、Yesの代表曲が並ぶ。
なかでも「Close to the Edge」は約20分に及ぶ大作で、複雑な展開と緻密なアンサンブルを再現。各メンバーの演奏技術と、長年培われてきたバンドの一体感を味わえる。
リック・ウェイクマンのキーボードは楽曲に壮大な広がりを与え、スティーヴ・ハウのギターは繊細なフレーズから力強い演奏まで幅広い表情を見せる。クリス・スクワイアの独特なベース・ラインとアラン・ホワイトのドラミングも、Yesならではのサウンドを支えている。
このライヴは、単に過去の名曲を再演した記録ではない。黄金期のメンバーが再び集まり、当時の音楽性を現在の演奏として表現した点に価値がある。
新たなYesの可能性を示したスタジオ・パート
Disc 2には「Mind Drive」「Foot Prints」「Bring Me to the Power」「Children of Light」「Sign Language」の5曲を収録。
なかでも「Mind Drive」は約19分に及ぶ大作で、複数のテーマや展開を組み合わせたプログレッシブ・ロックらしい構成が特徴だ。各メンバーの個性が交錯し、再結集した5人ならではのアンサンブルを聴かせている。
「Children of Light」は、ジョン・アンダーソンとヴァンゲリスが関わった楽曲を含む作品で、壮大なスケールと幻想的な雰囲気を持つ。「Sign Language」はスティーヴ・ハウとリック・ウェイクマンによるインストゥルメンタルで、ギターとキーボードの対話が楽しめる。
リック・ウェイクマンは、これらのスタジオ新曲を独立した作品として発表することを望んでいたとされる。ライヴと新曲を組み合わせた本作の構成は、再結集したYesが過去の名曲を演奏するだけでなく、新たな音楽を生み出そうとしていたことを示している。
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収録曲
Disc 1:Recorded Live in San Luis Obispo
- I’ve Seen All Good People: Your Move / All Good People
- Going for the One
- Time and a Word
- Close to the Edge
- Turn of the Century
- And You and I: Chord of Life / Eclipse / The Preacher the Teacher / Apocalypse
Disc 2:New Studio Tracks
- Mind Drive
- Foot Prints
- Bring Me to the Power
- Children of Light: Children of Light / Lifeline
- Sign Language
参加メンバー
Yes
- ジョン・アンダーソン:ヴォーカル
- スティーヴ・ハウ:ギター、ヴォーカル
- クリス・スクワイア:ベース、バッキング・ヴォーカル
- リック・ウェイクマン:キーボード
- アラン・ホワイト:ドラムス、パーカッション
プロデュース: Yes、ビリー・シャーウッド
録音・ミックス: ビリー・シャーウッド
ライヴ録音エンジニア: トム・フレッチャー
ライヴ音源は1996年3月4日から6日にフリーモント・シアターで録音。スタジオ音源はサンルイスオビスポのYesworld Studiosで制作された。
作品の意義
『Keys to Ascension 2』は、Yesの歴史におけるクラシック・ラインナップ再結集期を象徴する作品のひとつである。
1995年にジョン・アンダーソン、スティーヴ・ハウ、リック・ウェイクマンが再びバンドに加わり、クリス・スクワイア、アラン・ホワイトとともに黄金期の編成が復活した。
前作『Keys to Ascension』と本作は、その再結集によるライヴ演奏と新たなスタジオ録音をまとめた2部作として位置づけられる。
ただし、この編成が長く続いたわけではない。リック・ウェイクマンは本作の時期にバンドを離れることになり、その後Yesは新たなメンバー構成へと移行していく。
そうした変化の直前に、黄金期の5人が再び揃って演奏し、新曲を制作した記録として、本作はファンにとって特別な意味を持つ。往年の名曲の再演と、新たな大作「Mind Drive」の両方を楽しめる、再結集期の重要作といえるだろう。
代表曲 Mind Drive
本作のスタジオ新曲を代表するのが、約19分に及ぶ大作「Mind Drive」だ。
ジョン・アンダーソン、スティーヴ・ハウ、クリス・スクワイア、リック・ウェイクマン、アラン・ホワイトの5人によって作られたこの曲は、再結集したクラシック・ラインナップの音楽的な結晶ともいえる作品である。
静かな導入から始まり、複雑なリズムやキーボード、ギターのフレーズが重なりながら、壮大な展開へと進んでいく。ジョン・アンダーソンの透明感あるヴォーカル、ハウの個性的なギター、ウェイクマンのシンセサイザー、スクワイアの力強いベース、ホワイトのドラミングが一体となり、Yesならではのサウンドを作り上げている。
1970年代の名作群を思わせる構成でありながら、単なる過去の再現に終わらないところも魅力だ。再結集した5人が新たな音楽を生み出そうとした意欲を感じさせる、聴き応えのある一曲である。



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