Cream『Disraeli Gears』(カラフル・クリーム)

アルバム

1967年11月2日リリース(米国)

ブルース・ロックからサイケデリック・ハードロックへ

イギリスのロック・トリオ、Cream(クリーム)が1967年に発表したセカンド・アルバム『Disraeli Gears』。ブルースをルーツに持つ3人の卓越した演奏力と、当時のサイケデリック・ムーブメントを反映した大胆なサウンドが融合した、1960年代ロックを代表する名盤のひとつだ。

Creamは、ギタリストのEric Clapton(エリック・クラプトン)、ベーシスト兼ボーカリストのJack Bruce(ジャック・ブルース)、ドラマーのGinger Baker(ジンジャー・ベイカー)による3人組。各メンバーがそれぞれ強烈な個性と高い技術を持ち、単なる伴奏とソロという関係にとどまらない、緊張感に満ちたアンサンブルを生み出した。

前作『Fresh Cream』ではブルースを基調としたサウンドを展開していたが、本作ではその土台を保ちながら、ファズの効いたギター、印象的なベース・リフ、浮遊感のある音響、独特のリズム・アプローチを積極的に導入。ブルース・ロックの枠を押し広げ、後のハードロックやサイケデリック・ロックにもつながる音楽性を打ち出している。

『Disraeli Gears』のサウンドと聴きどころ

本作の大きな特徴は、3人編成とは思えないほど豊かな音の広がりにある。

Eric Claptonのギターは、ブルースに根差したフレーズを軸にしながら、歪みや音色の変化を大胆に活用。Jack Bruceのベースは低音を支えるだけでなく、楽曲の中心となるリフやメロディーを担い、Ginger Bakerのドラムはジャズやアフリカ音楽にも通じる感覚を思わせる独創的なリズムを生み出す。

その個性が最も鮮やかに結び付いた楽曲が「Sunshine Of Your Love」だ。印象的な下降型のリフを軸に、重厚なベースとギター、力強いドラムが一体となり、後のハードロックにも通じる存在感を放っている。

一方、「Strange Brew」ではブルースを基調としながら、サイケデリックな音色と独特の雰囲気を構築。「Tales Of Brave Ulysses」では、揺らめくようなギター・サウンドが幻想的な世界を生み出す。

さらに「SWLABR」の鋭いリフと変化に富んだ展開、「We’re Going Wrong」の不穏な空気など、アルバム全体を通して多彩な表情が楽しめる。ブルースの伝統を受け継ぎながら、既存のスタイルに収まらない音楽を追求した作品といえる。

制作背景とアルバム・ジャケット

本作は1967年5月、ニューヨークのAtlantic Studiosで録音された。プロデューサーを務めたのは、後にMountainのベーシストとしても知られるFelix Pappalardi(フェリックス・パパラルディ)。エンジニアはTom Dowd(トム・ダウド)が担当した。

Pappalardiは、Creamの持つブルース由来の演奏力を生かしながら、サイケデリックな音響や楽曲ごとの個性を際立たせる制作に貢献した。メンバー3人の演奏だけでなく、サウンド全体の構成によってアルバムとしての統一感を生み出している点も、本作の重要な魅力だ。

ジャケットのアートワークを手掛けたのは、オーストラリア出身のアーティスト、Martin Sharp(マーティン・シャープ)。鮮やかな色彩と幻想的なデザインは、1960年代後半のサイケデリック・カルチャーを象徴するビジュアルとしても知られている。

収録曲

  1. Strange Brew
  2. Sunshine Of Your Love
  3. World Of Pain
  4. Dance The Night Away
  5. Blue Condition
  6. Tales Of Brave Ulysses
  7. SWLABR
  8. We’re Going Wrong
  9. Outside Woman Blues
  10. Take It Back
  11. Mother’s Lament

全11曲を収録。ブルースを基盤としたロックから、サイケデリックな実験性を持つ楽曲、ユーモラスな小品まで、Creamの幅広い音楽性が凝縮されている。

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参加ミュージシャン

  • Eric Clapton — ギター、ボーカル
  • Jack Bruce — ベース、ボーカル、ハーモニカ、キーボード
  • Ginger Baker — ドラム、ボーカル

制作スタッフ

  • Felix Pappalardi — プロデューサー
  • Tom Dowd — レコーディング・エンジニア
  • Martin Sharp — ジャケット・アートワーク

作品情報

  • アーティスト: Cream(クリーム)
  • アルバム: 『Disraeli Gears』
  • 邦題: 『カラフル・クリーム』
  • 発表年: 1967年
  • 米国リリース日: 1967年11月2日
  • レコーディング: 1967年5月
  • 録音スタジオ: Atlantic Studios(ニューヨーク)
  • プロデューサー: Felix Pappalardi
  • エンジニア: Tom Dowd
  • 収録曲数: 11曲
  • レーベル: Atco Records(米国盤)

代表曲 Sunshine Of Your Love

『Disraeli Gears』を代表する楽曲であり、Creamの名をロック史に刻んだ重要曲のひとつ。

Jack Bruceが生み出した印象的なリフを軸に、Eric Claptonの歪んだギターとGinger Bakerの力強いドラミングが絡み合う。ブルースを出発点としながら、より重く、鋭く、反復の力を生かしたサウンドへと発展させた点に、この曲の革新性がある。

派手な速弾きだけに頼らず、リフそのものの存在感と3人の演奏の呼吸で聴かせる構成は、後のハードロックやヘヴィメタルにもつながる発想だ。Creamの演奏が持つ緊張感と、シンプルなフレーズを強烈な個性へと変える力を実感できる。

ブルース・ロック、サイケデリック・ロック、そしてハードロックの接点を知るうえで、ぜひ押さえておきたい一曲である。

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