1980年7月25日リリース(米国・英国)
1980年、AC/DCはロック史に残る大きな転機を迎えた。長年バンドを支えてきたヴォーカリスト、ボン・スコットが同年2月に急逝。その悲劇を乗り越え、新たなヴォーカリストとしてブライアン・ジョンソンを迎えて制作されたのが、アルバム『Back in Black』である。
全身黒ずくめのジャケットが象徴するように、本作には亡きボン・スコットへの追悼の意味が込められている。その幕開けを飾るのが、約5分にわたる「Hells Bells」だ。
曲の冒頭、ゆっくりと響き渡る重厚な鐘の音。嵐の到来を予感させるようなギターのリフが続き、やがてブライアン・ジョンソンの力強いヴォーカルが炸裂する。鐘の音からギター、ヴォーカルへと展開する構成は、アルバムの幕開けにふさわしい圧倒的な存在感を放っている。
この鐘の音は、単なる効果音ではない。アルバム全体を包み込む荘厳な雰囲気を生み出し、バンドの新たな時代の始まりを告げる象徴的な演出となった。その印象的なサウンドは、後のライブでも巨大な鐘を用いた演出として受け継がれていく。
歌詞では、雷鳴や嵐、迫り来る危機を思わせるイメージが描かれ、ブライアンの荒々しくも存在感のある歌声が楽曲の緊張感を高めている。アンガス・ヤングの鋭いリードギターと、マルコム・ヤングの骨太なリズムギターが生み出すサウンドは、AC/DCならではのシンプルで強靱なロックそのものだ。
『Back in Black』は、悲劇を乗り越えて再出発したバンドが、その実力を世界に証明した作品となった。「Hells Bells」は、その決意を冒頭から強烈に印象づける一曲であり、AC/DCのライブでも重要な役割を担う代表曲のひとつである。
参加メンバー
- ブライアン・ジョンソン(Brian Johnson):ヴォーカル
- アンガス・ヤング(Angus Young):リードギター
- マルコム・ヤング(Malcolm Young):リズムギター、バッキング・ヴォーカル
- クリフ・ウィリアムズ(Cliff Williams):ベース
- フィル・ラッド(Phil Rudd):ドラムス
本作は、ブライアン・ジョンソンが加入して初めて制作されたAC/DCのスタジオ・アルバムである。アンガスとマルコムの兄弟による強力なギターサウンドを軸に、クリフ・ウィリアムズのベースとフィル・ラッドのタイトなドラミングが一体となり、バンドならではの骨太なグルーヴを生み出している。
作品情報
- アーティスト:AC/DC
- 曲名:Hells Bells(地獄の鐘の音)
- 収録アルバム:『Back in Black』
- アルバム発売日:1980年7月25日
- ジャンル:ハードロック
- 作曲:アンガス・ヤング、マルコム・ヤング、ブライアン・ジョンソン
- プロデューサー:ロバート・ジョン・“マット”・ラング
代表曲「Hells Bells」
「Hells Bells」鐘の音から始まる荘厳なイントロ、重厚なギターリフ、そしてブライアン・ジョンソンの力強いヴォーカル。悲しみを背負いながらも前進するAC/DCの姿を象徴する、ロック史に残る名曲だ。



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