1995年10月31日リリース(米国・アナログ盤)
1990年代のグランジ・シーンを代表するバンド、Alice in Chainsが1995年に発表した3rdスタジオ・アルバム。バンド名をそのまま冠したセルフタイトル作品であり、ジャケットに写る三本脚の犬から、ファンの間では「Tripod(トライポッド)」の愛称でも知られている。
1992年の『Dirt』で、重厚なギターリフと暗く内省的な世界観を確立したAlice in Chains。本作では、その持ち味をさらに深め、ヘヴィなサウンドと陰鬱なメロディー、そしてレイン・ステイリーとジェリー・カントレルによる独特のヴォーカル・ハーモニーが、より濃密な形で展開されている。
オープニングを飾る「Grind」は、重くうねるギターリフと不穏な空気が印象的なナンバー。続く「Brush Away」や「Sludge Factory」では、バンド特有の複雑なリズムと重厚なサウンドが際立つ。一方、「Heaven Beside You」ではジェリー・カントレルがリード・ヴォーカルを担当し、レインの歌声とは異なる魅力を聴かせている。
また、約8分に及ぶ「Frogs」は、沈み込むような演奏と緊張感のある展開が印象的な大作。そしてアルバムを締めくくる「Over Now」では、ジェリーのヴォーカルと哀愁を帯びたメロディーが、作品全体に深い余韻を残す。
本作の制作時期、レイン・ステイリーは深刻な薬物依存の問題を抱えており、バンドはライブ活動からも遠ざかっていた。そうした状況のなかで生み出された本作には、Alice in Chainsの音楽が持つ暗さや痛み、そして美しさが凝縮されている。
ベーシストのマイク・アイネズが加入してから初めてのスタジオ・アルバムであり、レイン・ステイリーが参加した最後のスタジオ・アルバムでもある。商業的にも成功を収め、米ビルボード200で初登場1位を獲得。バンドのキャリアを語るうえで欠かせない重要作となった。
収録曲
- Grind
- Brush Away
- Sludge Factory
- Heaven Beside You
- Head Creeps
- Again
- Shame in You
- God Am
- So Close
- Nothin’ Song
- Frogs
- Over Now
参加メンバー
- レイン・ステイリー(Layne Staley):ヴォーカル、リズムギター(「Head Creeps」)
- ジェリー・カントレル(Jerry Cantrell):ギター、バッキング・ヴォーカル、リード・ヴォーカル(一部楽曲)
- マイク・アイネズ(Mike Inez):ベース
- ショーン・キニー(Sean Kinney):ドラムス
プロデューサー: トビー・ライト(Toby Wright)、Alice in Chains
作品情報
- アーティスト:Alice in Chains
- アルバム:『Alice in Chains』
- 通称:『Tripod』
- 米国アナログ盤発売日:1995年10月31日
- CD発売日:1995年11月7日
- レーベル:Columbia Records
- ジャンル:グランジ、オルタナティヴ・メタル、ハードロック
代表曲 Grind
アルバムの幕開けを飾る「Grind」は、低くうねるギターリフとレイン・ステイリーの重厚なヴォーカルが生み出す、Alice in Chainsらしさが凝縮された一曲。ジェリー・カントレルのギターが生み出す不穏な響きと、バンド全体の重たいグルーヴが、作品の世界観を鮮烈に印象づける。



コメント