Whitesnake『Live…In the Heart of the City』

アルバム

1980年11月3日リリース(英国)

1970年代のブルース・ロックから、ハード・ロックの頂点へ向かうホワイトスネイクの熱気を刻んだライヴ盤

『Live…In the Heart of the City』は、英国のハード・ロック・バンド、ホワイトスネイクが1980年に発表したライヴ・アルバムである。

本作の特徴は、単一の公演を収録した作品ではないことだ。1978年11月23日に行われたハマースミス・オデオン公演と、1980年6月23日・24日の同会場での公演を組み合わせた2枚組として構成されている。

Disc 1には1980年のステージを収録。ドラマーにイアン・ペイスを迎えた編成による演奏で、デヴィッド・カヴァデールの力強いヴォーカルを中心に、ツイン・ギターとジョン・ロードのキーボードが一体となったサウンドを聴くことができる。

一方、Disc 2は1978年の公演音源。ドラマーはデイヴ・ダウルで、バンド初期のステージの雰囲気を伝えている。後年のホワイトスネイクのイメージとは異なる、ブルースを基盤とした骨太なロック・サウンドも本作の魅力だ。

イアン・ペイス加入によって強化されたバンド・サウンド

1980年のホワイトスネイクは、デヴィッド・カヴァデール、ミッキー・ムーディ、バーニー・マースデン、ニール・マーレイ、ジョン・ロードというメンバーに、元ディープ・パープルのイアン・ペイスが加わった編成だった。

カヴァデール、ロード、ペイスというディープ・パープルゆかりの3人が同じステージに立っていることも、ロック・ファンにとって興味深いポイントである。

ペイスのドラミングは、楽曲に強い推進力とダイナミズムを与えている。ムーディとマースデンのギターは、ブルースを基盤にした掛け合いやソロで存在感を発揮。ロードのオルガンもバンドのサウンドに厚みを加えている。

特に「Love Hunter」の長尺演奏では、ブルース・ロックを土台にしたギター・プレイの醍醐味を堪能できる。スタジオ録音とは異なる、ライヴならではの即興性と演奏の熱量が作品全体を支えている。

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収録曲

※オリジナル2枚組LPの収録内容。

Disc 1:Live…In the Heart of the City(1980年6月23日・24日録音)

  1. Come On
  2. Sweet Talker
  3. Walking in the Shadow of the Blues
  4. Love Hunter
  5. Ain’t No Love in the Heart of the City
  6. Fool for Your Loving
  7. Ain’t Gonna Cry No More
  8. Ready an’ Willing
  9. Take Me with You

Disc 2:Live at Hammersmith(1978年11月23日録音)

  1. Come On
  2. Might Just Take Your Life
  3. Lie Down
  4. Ain’t No Love in the Heart of the City
  5. Trouble
  6. Mistreated

Disc 2には、ディープ・パープル時代の楽曲「Might Just Take Your Life」と「Mistreated」も収録されている。カヴァデールのキャリアを考えるうえでも、聴きどころの多い選曲だ。

参加メンバー

1980年録音(Disc 1)

  • デヴィッド・カヴァデール:ヴォーカル
  • ミッキー・ムーディ:ギター、バッキング・ヴォーカル
  • バーニー・マースデン:ギター、バッキング・ヴォーカル
  • ジョン・ロード:キーボード
  • ニール・マーレイ:ベース
  • イアン・ペイス:ドラムス

1978年録音(Disc 2)

  • デヴィッド・カヴァデール:ヴォーカル
  • ミッキー・ムーディ:ギター
  • バーニー・マースデン:ギター
  • ジョン・ロード:キーボード
  • ニール・マーレイ:ベース
  • デイヴ・ダウル:ドラムス

プロデュース/エンジニア: マーティン・バーチ

作品の意義

『Live…In the Heart of the City』は、ホワイトスネイクがブルース・ロックを基盤にした初期の音楽性を保ちながら、より力強いハード・ロック・バンドへと成長していく過程を捉えた作品である。

1980年のステージでは、イアン・ペイスの加入によって演奏のダイナミズムが増し、バンドの勢いが一段と強まっている。一方、1978年の音源からは、初期ホワイトスネイクが持っていたブルース色の濃いサウンドを確認できる。

異なる時期のライヴを組み合わせた構成は、単なるベスト・パフォーマンス集にとどまらず、バンドの変化を体感できるという点でも価値がある。

その後、ホワイトスネイクは1980年代に入り、より大きな成功を収めていく。本作は、その飛躍を前にしたバンドの実力と勢いを記録した重要なライヴ・アルバムといえるだろう。

代表曲 Ain’t No Love in the Heart of the City

本作を象徴する楽曲のひとつが「Ain’t No Love in the Heart of the City」だ。

オリジナルはボビー・ブランドが1970年代に発表したブルース/ソウル・ナンバーで、ホワイトスネイクはこの曲を自らのブルース・ロックのスタイルに取り込んだ。

カヴァデールのソウルフルな歌唱と、バンドの重厚な演奏が楽曲の魅力を引き出している。ライヴでは観客との一体感も大きな聴きどころとなり、スタジオ録音とは違った高揚感が生まれている。

ホワイトスネイクのブルースを基盤とした音楽性と、ライヴ・バンドとしての魅力を味わうには格好の一曲である。

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