1970年11月6日、アメリカ・マサチューセッツ州メンドンにあるニプマック・リージョナル高校の体育館で、後にアメリカを代表するロックバンドとなるエアロスミスが初めてのライブを行った。
スティーヴン・タイラー(ボーカル)、ジョー・ペリー(ギター)、レイ・タバノ(ギター)、トム・ハミルトン(ベース)、ジョーイ・クレイマー(ドラム)という5人編成。まだ無名だった若者たちが、ロックバンドとしての第一歩を踏み出した夜だった。
この公演は、ジョー・ペリーの母親が近隣の学校関係者と知り合いだったことがきっかけで実現したといわれている。会場は高校の体育館で、チケット代はおよそ1ドル。現在の世界的なバンドの出発点としては、驚くほど小さなステージだった。
当日のセットリストには、フリートウッド・マックの「Rattlesnake Shake」、ヤードバーズの「Happenings Ten Years Time Ago」、ローリング・ストーンズの「Live with Me」、レッド・ツェッペリンの「Good Times Bad Times」など、当時の彼らが影響を受けていたロックナンバーが並んだ。
一方で、すでにオリジナル曲の「Movin’ Out」と「Somebody」も演奏されていた。カバー曲を中心としながらも、自分たちの音楽をステージに持ち込もうとしていたことがうかがえる。
そして、この日の演奏を締めくくったのは、タイニー・ブラッドショウの楽曲を原曲とする「Train Kept A-Rollin’」。ヤードバーズやジェフ・ベック、レッド・ツェッペリンなども取り上げたロックンロールの定番曲であり、エアロスミスにとっても長く重要なレパートリーとなっていく。
翌1971年にはレイ・タバノに代わってブラッド・ウィットフォードが加入。スティーヴン・タイラー、ジョー・ペリー、トム・ハミルトン、ジョーイ・クレイマーとともに、後に黄金期を築く5人のラインナップが整っていった。
1973年、エアロスミスはアルバム『Aerosmith』でレコードデビュー。収録曲「Dream On」は後に大きな支持を獲得し、バンドを代表する名曲となる。続く『Get Your Wings』(1974年)、『Toys in the Attic』(1975年)などで人気を確立し、アメリカン・ハードロックを代表する存在へと成長していった。
高校の体育館で行われた小さな初ライブから、世界中のスタジアムを熱狂させるバンドへ。エアロスミスの長い歴史は、この1970年11月6日のステージから始まった。
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ロックの定番曲『Train Kept A-Rollin’』
エアロスミスが初ライブの最後に演奏した楽曲。もともとはタイニー・ブラッドショウが1940年代に録音した曲で、ヤードバーズやジョニー・バーネット・トリオなどの演奏を通じてロックの定番曲として知られるようになった。エアロスミスもライブで繰り返し演奏し、荒々しいギターとスティーヴン・タイラーのボーカルが映える重要なレパートリーとして受け継いでいった。


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