1966年11月6日、アメリカ・イリノイ州カーボンデールに、後にハードロック界を代表するギタリストの一人となるポール・ギルバートが誕生した。
驚異的な速弾きと正確無比なピッキング、そしてジャンルにとらわれない幅広い音楽性。ポール・ギルバートは、テクニックと音楽的な楽しさを両立させたギタリストとして、長年にわたり多くのプレイヤーやロックファンを魅了してきた。
幼い頃からギターに親しみ、10代ですでに卓越した演奏技術を身につけていた彼は、1984年にロサンゼルスへ移り、Musicians InstituteのGuitar Institute of Technology(GIT)で学ぶ。その後は同校の講師も務め、若くしてギターの実力を認められる存在となった。
1986年、ポールはヘヴィメタル・バンド、レーサーXのメンバーとしてアルバム『Street Lethal』でデビュー。高速かつ精密なギタープレイで注目を集め、ネオクラシカル・メタルやシュレッド・ギターのシーンでその名を知られるようになる。1987年の『Second Heat』でも、圧倒的なテクニックを披露した。
1988年には、ベーシストのビリー・シーン、ボーカリストのエリック・マーティン、ドラマーのパット・トーピーとともにMr. Bigを結成。1989年にデビューアルバム『Mr. Big』を発表した。
Mr. Bigでは、レーサーXで見せた超絶技巧を生かしながら、メロディアスなハードロックにも対応。ビリー・シーンとのコンビネーションはバンドの大きな魅力となり、ギターとベースが火花を散らすような演奏は、多くのファンを熱狂させた。
1991年のセカンドアルバム『Lean Into It』からは「To Be with You」が世界的なヒットとなり、全米シングルチャート1位を獲得。Mr. Bigは一躍世界的なバンドへと成長した。ポールのギターは、速さだけではなく、楽曲を引き立てる表現力も備えていることを広く知らしめた。
1997年にMr. Bigを脱退した後は、ソロ活動を本格化。アルバム『King of Clubs』を発表する一方、レーサーXの再始動にも取り組み、『Technical Difficulties』(1999年)などの作品を制作した。
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2009年にはMr. Bigのオリジナルメンバーによる再結成に参加。その後もバンド活動とソロ活動を並行し、幅広い音楽性を追求してきた。
ポール・ギルバートの魅力は、単に速く弾けるということだけではない。オルタネイト・ピッキングを駆使した鋭いフレーズ、ユニークなアイデア、そしてドリルを使った演奏など、常にギターの可能性を広げてきた点にある。
レーサーXでのメタリックな演奏から、Mr. Bigでのキャッチーなハードロック、さらに多彩なソロ作品まで。その歩みは、テクニックと創造性を兼ね備えたギタリストの魅力を示し続けている。
電動ドリル『Daddy, Brother, Lover, Little Boy (The Electric Drill Song)』
1991年発表のMr. Big『Lean Into It』に収録された楽曲。ポール・ギルバートとビリー・シーンによる息の合った演奏が聴きどころで、ギターソロでは電動ドリルを使った独創的な奏法も披露される。超絶技巧だけでなく、遊び心とエンターテインメント性を兼ね備えたポールの個性を象徴する一曲だ。



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