1967年11月4日、Pink Floyd(ピンク・フロイド)がアメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコのWinterland Auditoriumで公演を行った。これが、同バンドにとって米国での初ライブとなった。
当時のPink Floydは、シド・バレット、ロジャー・ウォーターズ、リチャード・ライト、ニック・メイスンの4人編成。英国のサイケデリック・ロック・シーンで注目を集めていた彼らは、デビュー・アルバム『The Piper at the Gates of Dawn』を発表した年に、初めてアメリカの地を踏んだ。
ビザ問題で遅れた米国進出
Pink Floydは1967年秋、米国ツアーを計画していた。しかし、ビザや就労許可をめぐる問題によって、当初予定していた公演の多くが中止となる。
バンドが米国に到着したのは11月初旬。サンフランシスコでの公演も当初の予定どおりには進まず、最終的に11月4日のWinterland Auditorium公演が米国初ライブとなった。
この日のステージには、ジャニス・ジョプリンがボーカルを務めるBig Brother and the Holding Companyや、リッチー・ヘブンスも出演していた。
当時のサンフランシスコは、サイケデリック・ロックやヒッピー・カルチャーが大きな盛り上がりを見せていた時代。英国で独自の音楽性を磨いてきたPink Floydにとって、米国進出は新たな聴衆と出会う重要な機会だった。
シド・バレット時代のPink Floyd
1967年のPink Floydを語るうえで欠かせないのが、創設メンバーであるシド・バレットの存在だ。
バレットの独創的なギター・プレイとソングライティングは、バンド初期のサイケデリックな音楽性を形作った。同年に発表されたデビュー作『The Piper at the Gates of Dawn』には、「Astronomy Domine」「Interstellar Overdrive」など、当時のロックとしては実験的な楽曲が収録されている。
一方、米国進出の時期にはバレットの精神状態が不安定になっており、バンドは大きな困難にも直面していた。翌1968年にはデヴィッド・ギルモアが加入し、Pink Floydは新たな体制へと移行していく。
その後、バンドは『The Dark Side of the Moon』『Wish You Were Here』『The Wall』などの名作を生み出し、世界的なロック・バンドへと成長した。
ロック史の転換期を象徴する米国初公演
Pink Floydの米国初ライブは、後の世界的な成功を考えると、歴史の大きな節目の一つといえる。
当時の彼らは、後年の壮大なコンセプト・アルバムやスタジアム公演で知られる姿とは異なり、サイケデリックな実験性を前面に押し出していた。
1967年11月の米国公演は、英国のサイケデリック・ロックと米国のカウンターカルチャーが交差する時代を象徴する出来事でもある。
シド・バレットを中心とした初期Pink Floydの音楽は、その後のプログレッシブ・ロックの発展にも大きな影響を与えた。サンフランシスコでの米国初ライブは、彼らの長い歴史を振り返るうえで記憶しておきたい一日だ。
初期Pink Floydの音楽性を象徴する作品『Interstellar Overdrive』
デビュー・アルバム『The Piper at the Gates of Dawn』に収録されたインストゥルメンタル曲。反復するギター・リフから始まり、自由な即興演奏や実験的なサウンドへと展開する、初期Pink Floydの音楽性を象徴する作品である。
従来のロックの枠に収まらないサウンドは、当時のサイケデリック・ロック・シーンにおいても際立っていた。シド・バレット時代のPink Floydを知るうえで欠かせない一曲だ。
関連作品
- Pink Floyd『The Piper at the Gates of Dawn』(1967年)
- Pink Floyd『A Saucerful of Secrets』(1968年)
- Pink Floyd『Ummagumma』(1969年)
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