1963年11月1日リリース(英国)
ビートルズから提供された、ストーンズ初期を象徴するシングル
「I Wanna Be Your Man」は、1963年11月1日に英国で発売されたThe Rolling Stonesのセカンド・シングルである。
この曲の最大の特徴は、作曲者がJohn LennonとPaul McCartney、すなわちThe Beatlesのソングライティング・チームであることだ。
当時、The Rolling Stonesはデビュー・シングル「Come On」に続く作品を探していた。そうしたなか、LennonとMcCartneyからこの曲が提供された。両者はバンドの演奏を聴き、ストーンズの荒々しいR&Bスタイルに合うよう、楽曲を仕上げたと伝えられている。
興味深いのは、The Beatlesも同じ曲を録音していることだ。The Rolling Stones版が1963年11月1日に先行して発売され、The Beatles版は同年11月22日発売のアルバム『With The Beatles』に収録された。The Beatles版ではRingo Starrがボーカルを担当している。
ストーンズ流の荒々しいロックンロール
The Rolling Stones版は、短い演奏時間のなかに、当時のバンドが持っていた勢いと粗削りな魅力が凝縮されている。
Mick Jaggerの力強いボーカルを中心に、Brian Jonesのスライド・ギターが印象的なアクセントを加える。Keith Richardsのギター、Bill Wymanのベース、Charlie Wattsのドラムが一体となり、ブルースを基盤としたストレートなロックンロールを聴かせる。
The Beatles版がRingo Starrのボーカルを生かしたビート・ナンバーとして仕上げられているのに対し、ストーンズ版はより荒々しく、R&B色の強い演奏になっている。同じ楽曲でありながら、両バンドの個性の違いがよく分かる好例だ。
B面「Stoned」も見逃せない
B面には「Stoned」を収録。
この曲は、メンバー間で共有する作曲名義「Nanker Phelge」によるインストゥルメンタル色の強い楽曲である。Brian JonesのハーモニカやIan Stewartのピアノが聴きどころとなっている。
「Nanker Phelge」は、後にThe Rolling Stonesの初期オリジナル曲でも使われた名義であり、バンドが他人の楽曲を演奏するだけでなく、自分たちの音楽を作り始めていたことを示す存在でもある。
なお、初期プレスの一部ではB面のタイトルが「Stones」と誤記されている。
全英チャート12位を記録
「I Wanna Be Your Man」は英国シングル・チャートで最高12位を記録した。
デビュー・シングル「Come On」に続く作品として、The Rolling Stonesの知名度をさらに高めることになった一曲である。
また、The Beatlesのメンバーが楽曲を提供したというエピソードは、当時の英国ロック・シーンにおける両バンドの関係を知るうえでも興味深い。
後年、The Rolling StonesはJagger/Richardsによるオリジナル曲を中心に独自の音楽性を確立していくが、この時期のシングルには、ブルースやR&Bをルーツとするバンドが自分たちのスタイルを築いていく過程が刻まれている。
作品情報
- アーティスト:The Rolling Stones
- 作品名:I Wanna Be Your Man
- 形態:シングル(7インチ)
- 発売日:1963年11月1日
- 発売国:英国
- レーベル:Decca
- カタログ番号:F 11764
- A面:I Wanna Be Your Man
- B面:Stoned
- 作曲:John Lennon、Paul McCartney(A面)
- B面作曲名義:Nanker Phelge
- プロデュース:Andrew Loog Oldham、Eric Easton
- 録音:1963年10月7日
参加メンバー
I Wanna Be Your Man
- Mick Jagger:リード・ボーカル、バック・ボーカル
- Keith Richards:ギター、バック・ボーカル
- Brian Jones:スライド・ギター、バック・ボーカル
- Bill Wyman:ベース
- Charlie Watts:ドラム
B面「Stoned」
- Mick Jagger:ボーカル
- Keith Richards:ギター
- Brian Jones:ハーモニカ
- Bill Wyman:ベース
- Charlie Watts:ドラム
- Ian Stewart:ピアノ
代表曲 I Wanna Be Your Man
John LennonとPaul McCartneyが手掛けた楽曲を、The Rolling Stonesならではの荒々しいR&Bスタイルで演奏した初期の重要曲。The Beatles版と聴き比べることで、両バンドの個性の違いも楽しめる。



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